西荻窪の家相続する土地の分割協議から支援したSE構法の家

このプロジェクトは、三人兄弟であるお客さまがご両親から土地を相続することになり、土地の分割方法からご相談を頂いたことから始まったプロジェクトです。

その土地は約90坪と広い土地でしたが、三人兄弟でどのように分けるか、その分割ラインをいかに設定するかがポイントでした。私たちは、ご依頼頂いたお客さまにアドバイスしつつ、他のお二人のご兄弟とお話を進め、それぞれが公平なものとなる分割ラインを設定することができました。

お金デザインのポイント

POINT01相続する土地の分割協議をサポート

相続する土地を分割するための協議を建築とお金の両面からサポートいたしました。お客さまを含めて相続する人は三人兄弟で、仮の分割ラインを設定し、その場合に各区画にどのような建物が建つか想定しながら、3人で協議を進め、最終的には道路の間口に対して3等分するというシンプルな形に納まりました。

事前に詳細な法規チェックを済ましていたので、お客さまが希望する建物の広さを確保できることを確認したことで、分割計画の承認を後押しすることが出来ました。将来建つ建物をこの段階で検討していたからこそ、お客さまも決断できたと思います。

POINT02老後資金を見据えた建築費用の抑制を実現

お客さまは仕事を定年する間際であり、この先、一生住める家として新築するというご希望でした。また建築資金としてはすでに現金で用意されているとのことでした。

私たちは、お客さまの要望とそれを実現する工事費概算を見据え、建築資金として現金を使いすぎて老後資金が不足しないように、そのファイナンシャルプランを通じてバランスを検討しました。そして将来に建物のメンテナンス費用が少なくてすむ素材の選定や建物形状を検討し、資金計画に落とし込みました。

ご要望をすべて叶えようとするあまり、建築費用が上がり、最終的には老後資金でもある現金を使いすぎてしまってはいけません。ファイナンシャルプランナーの視点を持つ私たちだからこそ、建築費用の抑制を実現できました。

POINT03既存インフラの取扱を施工会社と一緒になり対処

元々は約90坪の1つの土地であったため、土地を3つに分割した際に、既存の給水排水管やガス管などのインフラが3つの区画を横断するように入っていることが分かりました。

工事の進め方としては、既存の建物を壊した後で、各区画でインフラの新規引き込みを行い、その後3区画を横断している既存インフラを撤去するという順番になります。よって既存建物を解体する際にも、既存インフラを誤って壊さないように慎重に進めました。

既存インフラの調査や、他2区画の施工会社との調整など、すべて私たちと施工会社とがチームとなって対処しました。建物を設計する段階から、施工会社と一緒に取り組むことで、工事を見据えた対処が確実に前もって行えることが、私たちの強みです。

西荻窪の家2お金デザインフロー

建築デザインのポイント

POINT01将来の生活を見据えた可変性のあるプランを実現

お客さまは老後の生活を見据えて、将来は1階で生活が完結することをご希望でした。そこで私たちは、1階にLDKと寝室にも使える和室を計画しました。

建物の面積の関係で、浴室など水回りは2階に設けましたが、もし将来階段の上がり下りが大変になった時には、階段に電動リフトを取り付けることを想定しています。

水回りの隣には個室2つを配置しています。敷地南側にもギリギリまで建物が建つことが想定されましたので、2階は屋根近くの高窓を設け、将来に渡って確実に採光を確保できるようにしています。

西荻窪の家2
リビングの隣には引違い戸で仕切られる和室がある
西荻窪の家2
将来に電動リフトの取付まで想定された階段
西荻窪の家2
2階個室は勾配天井とし高い位置に窓を設けることで明るさを確保

 

西荻窪の家2
木造SE構法を採用し耐震性と開放性を両立

POINT02木造SE構法により耐震性と開放性の両立を実現

これまで建っていた既存建物が古く、構造的にも不安であったため、お客さまは新築される建物の耐震性をとても気にされていました。そこで私たちは、耐震性にメリットのある木造SE構法をご提案しました。木造SE構法を採用することで、建物外周の外壁部分を構造的な耐力壁としながら、耐震等級3を実現しています。内部の間仕切り壁を構造耐力壁としないことで、将来の間取り変更にも柔軟に対応することが出来ます。

 

POINT03夫婦の趣味のスペースを活かせる建物プランを実現

耐震性に加えて、省エネ性能(断熱性能)にも配慮し、外壁については外張り断熱+充填断熱の二重断熱としています。外張り断熱で建物を外側からすっぽりと断熱材で覆うことで、熱欠損するポイントを無くし、さらに断熱性能を上げるために、壁の室内側からも断熱材を入れています。これによりUA値0.69という温暖地では高断熱性能を確保しています。


基本情報

建築主
個人(ご夫婦)
資金
土地相続+建物3,000万円
所在地
東京都杉並区
用途
専用住宅
仕様
木造(SE構法)地上2階建て、耐震等級3
敷地面積
91㎡
延床面積
91㎡

プロジェクト体制

お金デザイン
ライフプラン・ファイナンシャルプランニング…長沼アーキテクツ
土地相続サポート…長沼アーキテクツ
建築デザイン
設計・工事監理…長沼アーキテクツ
工事…印南建設

プロジェクトのプロセスや完成写真

西荻窪の家2
片流れの屋根をかけて北側の高さ制限を満たしつつシンプルな外観としています。
西荻窪の家2
玄関を入るとすぐに1階LDKとなる将来を見据えた間取りとしています。
西荻窪の家2
リビングの隣にある和室は将来は個室としても使える設えとしています。
西荻窪の家2
勾配天井の個室にはハイサイド窓を設け採光を確保しています。

西荻窪の家2
2階の階段スペースにはたくさんの蔵書のための書棚を設けました。